2006年8月9日水曜日

World Trade Center

2001年9月11日に起きた同時多発テロを描いた映画、World Trade Center を公開当日に見に行きました。感想は、正直言って複雑でした。確かに、この痛ましい出来事を忘れないためにも、この映画を作ることは必要です。ですが…ちょっと公開する時期が早すぎる気がする。

この映画は、瓦礫に埋れた2人の警察官が救出されるまでを描いた話です。映画では見せられないようなひどい映像は一切出てこなかったけれど、飛行機が衝突する音や人間が落下した音を聴くたびに、何ともいえない恐怖感に襲われた。

最後に、亡くなった人たちなどの数値が表示され、この映画は終了しました。約2700名がワールド・トレードセンターで亡くなった。約20名が瓦礫から救出された。亡くなった警察は・・・名。亡くなった消防士は・・・名などなど(実際は実数で公表しています)。これを見て思った。なぜ、イラクで亡くなったアメリカの兵士の数をここで表示しないのか?なぜ、イラクで亡くなった無関係な市民の数を表示しないのか?

そして最後に、この映画を見ていた観客による拍手が起こった。ここで俺は思った。なぜみんなは拍手したの?2人の警察官が救出されたから?それとも、2人を助け出した人たちへの拍手?それとも…。俺はこの映画を見る以前から、絶対この映画を見たら客は拍手するだろうと予想していた。それが現実に起こった。

なぜ悲しい出来事を描いた映画に拍手がいるのか理解できなかった。確かに2人が生き残ったことはすばらしいことだけど、このテロで亡くなった大勢の人、テロ後に起こったイラクでの戦争で亡くなった大勢の兵士と市民のことを考えたら、この拍手はするべきではないはず。

俺は、またこのアメリカのどこかで2001年に起きた残酷なテロが再び起こると思う。それは、イラクでの攻撃により、アメリカが再び憎しみを持った人間を増やしてしまったからだ。

みなさんも、この映画を1度見てください。あのテロ当時の記憶がよみがえります。